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傑作と肯定できない怪作『羊たちの沈黙』

 

 

ストーリー(※適当)

 アメリカで大柄な女性ばかりが狙われ、皮膚を剝された状態で見つかるという特異な連続殺人が起こる。その後、ある議員の娘が突然姿をくらませ、一連の殺人犯の犯行によるものである可能性が浮上した。FBIの研修生(?)であるジョディ・フォスターは上司に、この連続殺人の犯人を特定するように命じられる。ジョディ・フォスターは、犯人の手掛かりをツカムタメ、厳重な警備のもとで収監されているひとりの男に面会する。この男こそアンソニー・ホプキンス演じる元医者の男である。

 この元医者は、過去に人を食ったことがあるといういわくつきの人物で、また非常に強暴で知能が高いということで恐れられていた。ジョディ・フォスターは、この元医者に殺人事件の情報を提供し、犯人を特定しようとするが…。


The Silence of the Lambs (Trailer) - YouTube

 

 感想

 おもしろすぎる。それが問題なのだ。まず90分そこそこで物語が完結している点が良い。観客も視線を画面に留めるための仕掛けが、緻密に配置されていて映像の完成度が高い。そして脚本が、アンソニー・ホプキンスジョディ・フォスターという役者の魅力を最大限に引き出し、特異なキャラクターを立ち上げるのに成功している。本当に驚くべき映画である。しかし傑作というには、あまりに突出しすぎている。堂々アカデミー賞5部門受賞の本作ではあるが、これほど傑作という言葉が似合わない作品は他に思い浮かばない。おもしろい、という点には全力で肯定できるのだが、一体何がそんなに面白いのかを第三者に説明するのはかなり難しい作品である。むしろこの映画には怪作とか奇作といった表現の方がはるかにふさわしいのではないだろうか。