捕鯨問題と沖縄の共通点―多数決による暴力

 先日、日本の動物園協会が、世界の動物園協会から閉め出されるという報道がなされた。原因は捕鯨で日本の動物園が捕鯨で有名な和歌山県太地町からイルカを購入していたことにあるという。

 

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 この一件に関して、一番強く感じたのは多数決というのは本当は恐ろしい制度だということである。日本は捕鯨の件では少数派だが、国際舞台では多数派であることの方が多いだ。今回、少数派になってみて初めて、この多数決というシステムがいかに暴力的なのか、ということを身をもって理解できた気がする。これはマイノリティを圧殺するのに、ぴったりの方法なのだ。

 

 そう考えると、マスコミがうるさく言う「沖縄の痛み」に関しても少しは理解できる。沖縄は本土とは切りされているという地理的な状況だけですでにマイノリティである。それはつまり本土の都道府県とは、数の上で勝てないという運命にあるということだ。

 

 クジラに関して、日本は沖縄の人々のように、マイノリティとしての立場をもっともっと強調するべきなのだと思う。鯨を食べることそれ自体が悪いということは決してない。鯨を食べるということは、現代において生存権的なものとは結びつかないかもしれないが、幸福追求権に含まれる権利として十分に尊重に値する権利である。

 

 今後、うるさいマイノリティとしての立場を確立すれば、国際的な場において優位な立場を獲得できるかもしれない。捕鯨推進者は、沖縄の活動家から学ぶべきだ。