『死霊館』ジェームス・ワン

 

 

ジェームス・ワンが作るホラー映画は明快だ。霊や悪魔には目的があり、その目的のために怪奇現象を起こす。また人間も、霊や悪魔の目的を理解し、その達成を阻止するために全力を尽くす。前半のパートは怪奇現象の原因を究明し、後半では霊や悪魔と対峙して除霊をする。この点は『インシディアス』でも『死霊館』でも共通している。そして話が暗くなり過ぎないのもポイントで、怖さとエンターテイメント性の両立が達成されている。こういった点はジャパニーズホラーと比較すると一目瞭然で、ワンのホラーはジャパニーズホラーの欠点を浮かび上がらせてくれる。つまりJホラーは今考えると、霊の存在の不明瞭さや曖昧さぶ頼り過ぎているところがあり、また暗い話・バットエンドの傾向が強く後味が悪い。