深夜の『TRICK』ドラマ版

 深夜にテレビ版の『TRICK』の4話をやっていて、ためしに見てみたら予想以上におもしろかった。記憶が確かならば、私が見たことがあるのはこの『TRICK』の大一作目だけでパート2も、サイドストーリーのようなものも見ていない。たぶん『TRICK2』に関しては数話見て、打ち切ったという感じだったと思う。さらには『SPEC』も照明ののっぺりした感じとロケセットの手抜き感が嫌で見なかった。

 『TRICK』を昨日見て、『SPEC』に感じた手抜き感を全然感じなくて、むしろ今のほとんどのドラマよりも照明とセットに手が込んでいるなぁと感心した。特にカメラの構図なんかは決してうまくはないのだけれど、役者の配置に演出意図があって、1シーン1シーンんが生きている感じがする。照明も必ずしも成功しているとは言い難いのだけれど、工夫が見られて楽しい。全体的に技術的なことに関してきっちりしているところが好印象だった。

 加えてこのころの仲間由紀恵の演技には不安定なところがあって、それは映画『リング』シリーズの最後の作品でもそうなのだけれど、その不安定さが魅力的だったりする。『ごくせん』が仲間にとっての最大のハマリ役だったけど、たぶんそれ以後の仲間はパターンの演技をするようになってしまったのだろう。『TRICK』の仲間の演技は変なリアリティがあって良い。

 仲間で一番いいのは『リング―バースディ』だと思う。この映画は演出も脚本も素晴らしいのに、どうせ『リング』の2匹目のどじょうを狙った作品でしょ、的な先入観が作用しているのかは知らんが一般的な知名度が低い。『リング―バースディ』はホラーとして括った場合、あんまり怖くないいのが弱点なのだけど、『リング』シリーズの中で、映画として松嶋・真田版『リング』に比肩しうるのは『リング―バースディ』だけだと思う。ぜひ見られたし。

 

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