問題は婚外子差別じゃなくて相続という制度にあるんじゃないの?

婚外子の遺産相続違憲判決に関するブログやニュースの記事を読んでみても、本当に納得させられるようなものが一つもなかった。なぜ納得できないのかというと、そもそも相続という制度自体が、ある種の差別を引き起こしているんじゃないかという疑念がどこかにあるからだ。リベラルな新聞もブログも相続という制度がもつ不平等性にはほとんど言及していない。相続の正当性を前提にして、その配分の平等・不平等について語ること自体が、資本主義がもつ不平等性を隠ぺいし、構造化しているように思えてならない。

 

などと書いていてこれはちょっと共産党っぽい主張だなぁと思った。実際のところ、相続権の廃止は実現できそうにないので、嫡出子と非嫡出子の相続金額の差異をなくすという穏当な主張はまったくもって合理的だ。その結果として還暦を超えた紳士淑女の方々が、遺産をめぐって骨肉の争いを繰り広げるという構図があまり美しいとは思えないので、秩序という観点から、違憲判決に異を唱える保守系の方々の意見もある程度は理解できる。どちらにしてももやもやとした感情が残るという点では変わりないのだが。