ブコメかぶって恥ずかしい

 自分が書いたはてなブックマークのコメントが自分より前に書いた人のものとかぶっていた。死ぬほど恥ずかしい。そしてさらに、そのコメントがそこそこのスターを集めていて、もう少しで人気コメント入りしてしまう。一体自分はどうしたらいいのだろうか。

 今から消すこともできるのだが、それはそれでなんだか自分が意図的に他人のコメントをパクったと認めるみたい嫌だ。もちろんパクったわけではなく、偶然に似たようなコメントになってしまっただけなのだけど、それを証明する手段が無いから厄介である。

 こんなとき、かぶるのを避けるようなサービスがあったらどんなに便利か。例えば他のコメントと単語が80パ―セント以上重複していたら、「他のコメントと著しく類似していますが、投稿してよろしいですか?」みたいな警告文が表示されるような仕様になっていれば、問題は起こらない。多少ウザったいかもしれないが、コメントがかぶるよりはマシだと私は思う。それくらいの煩わしさなら喜んで受け入れよう。

 とにかく自分はツイパクのようなことには興味がないし、はてブで名声を得ようなどということは1ミリたりとも考えていないのです。うーん、困った。

ロメロ初期三部作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』、『ゾンビ』、『死霊のえじき』

 ロメロの初期3部作はこれまで見ていなかった。最近やっと、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』 (1968)、『ゾンビ』(1978)、『死霊のえじき』 (1985)の3作を見ることができたので、その感想を書こうと思う。

 結論から言うと、この3作はホラー映画を語るうえで必見の作品ではない。ロメロはゾンビ映画の生みの親としては偉大だが、映画監督としては微妙、というのが私の考えだ。最近のゾンビ映画を鑑賞したあとで、ロメロの初期作品を見るのは正直キツイ。以下に、それぞれの作品の感想について書いていく。

 

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド (1968)

 最初のゾンビ映画であるこの作品は、これ以降の作品とは違いよりパニック映画に近い。冒頭、突然現れたゾンビに驚いた女は、なんの抵抗もできず民家に逃げ込む。そこに黒人やカップル、子連れの夫婦などが加わって、生き残ろうとアレコレする、というストーリーである。

 この映画、登場人物たちとゾンビはほとんど戦わない。それは恐らく、登場人物がゾンビをよくわからない存在、つまりは幽霊のようなものとして認識しているからなのだろう。だからこの映画には、ゾンビを倒すことによって得られるようなカタルシスをほとんど感じない。むしろ人間同士の争いが中心に据えられた、非常にストレスフルな映画となっている。

 

ゾンビ』(1978)

  テレビ局での番組撮影シーンから始まるこの映画では既に、ゾンビがある程度認知された存在となっている。主人公は妊娠中の女性で、事態が悪化する中、ヘリで恋人他二人の男とともにテレビ局から脱出し、(イオンのような)巨大デパートを拠点にして生活する。主人公一行が生活の中心とするのは、屋上の下にあるゾンビが入ってこない安全地帯なのだが、そこには非常用食料があるばかりでとても文化的な生活は望めない。そこで大量のゾンビが徘徊するショッピングモールに突入し、危険覚悟で必要な物資を集めようとするのだが…というのが、おおまかなストーリーである。

 この映画では、前作ではあいまいだった、噛みつかれることで感染する、というゾンビの設定が明確に示され、ストーリーに活かされている。また無人のショッピングモールという魅力的な舞台が設定されたことも大きく、前作よりも多くの人に受け入れられやすい作品に仕上がっている。

 

 死霊のえじき』 (1985)

 ほとんど見捨てられた軍の地下基地が舞台となっていて、世界のゾンビ化がかなり進行している。生きている人間はゾンビと比べて圧倒的に少数派で、食料や武器の量に加え、地下基地の耐久力の面から言ってもタイムリミットが近い。主人公はそこで軍の庇護のもとゾンビの研究をしている女性研究者だ。だが充分な研究機材がないこともあり思うような研究成果が示せない。そうこうしているうちに軍のトップが暴走し、基地の住人に対して独裁者的にふるまうようになる。そうして主人公やその仲間たちが徐々に追い詰められていく、というストーリーである。

 この映画は、ゾンビ映画のひとつの完成形と言っていいのではないか。例えば、仲間が感染して、それへの対処(生かすか。殺すか)という究極の選択を求められるといった現代ゾンビ映画のお約束が綺麗な形で提示されている。また全2作と比べても終わり方が圧倒的に良いということもこの映画の長所のひとつだろう。

  

 

『アドベンチャー・タイム』

 岡田斗司夫のお気に入りアニメだという『アドベンチャー・タイム』の動画を見たのだが、これが面白くなかった。岡田によると、日本のアニメはアメリカにすでに追い越されてしまっていて、このアニメがその証拠ということなのだが、このアニメで岡田の話に説得されるという人はまずいない。

 

 『アドベンチャー・タイム』はカートゥーン・ネットワークの公式チャンネルで公開されているので、定期的に挿入される広告さえ我慢すれば、誰でも視聴できる。

アドベンチャー・タイム_1番(#1-1):恐怖のパジャマパーティー - YouTube

 

 『アドベンチャー・タイム』はコメディアニメにも拘わらず、ギャグが笑えないという点が自分にとって致命的だ。ギャグの方向性としては、モンティ・パイソンのセンスに近いところがあると思う。つまりドリフのような身体的・直感的な笑いではなく、言語的・間接的な笑いに近い。だけど、モンティ・パイソンほど、突き放した感じではないので、なんだかギャグをいちいち説明されているような気持ちになるので冷める。

 

 そういうことでYouTubeのコメント欄では、このアニメがカオスで、狂っているという感想が多く見られるが自分には全くそうは思えない。非常に理にかなった、そして考えようによっては説教臭いアニメに見える。『シンプソンズ』や『サウスパーク』をもっと大衆向けにアレンジしたような印象を受ける。

 

 また日本の不条理ギャグアニメと比較しても、本作が特別に優れているということは無い。例えば『ボーボボ―』や『カブトボーグ』『チャージマン研』と比較しても、『アドベンチャー・タイム』はずっと穏健で、飲み込みやすい作りになっている。つまり『アドベンチャー・タイム』というのは、刺さりそうな骨を、可能な限り取り除いた不条理アニメである。

 

 このアニメの一番の長所は他の不条理アニメと比較して、演出面において非常に洗練されている、ということだ。動き自体はストーリーアニメほど多くは無いのだが

、細かい部分が、いわゆるぬるぬる動くので、見ごたえがある。

 

 そういう訳で『アドベンチャー・タイム』はつまらない、というよりある種の文脈を踏まえている人間にとっては、周回遅れにさえ見える作風のアニメである。

 

アドベンチャー・タイム シーズン5 Vol.1 [DVD]

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女による、女のための「わたモテ」

 「わたモテ」と言っても、以前匿名ダイアリーで批判されたほうの「わたモテ」(私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!)ではない。(匿名ダイアリーでは「私モテ」と略されてるけど…)

anond.hatelabo.jp

 現在、アニメが放映されている方のわたモテである。正式には『私がモテてどうすんだ』というタイトルで、こちらは「私モテ」と略すらしい。以下に第1話の詳細が記載してある。

anicobin.ldblog.jp

 匿名ダイアリーの内容については、はてなでちょっとした話題になったので覚えている人も多いのではないか。

 要約すれると、わたモテの主人公であるもこっちは喪男による妄想の産物、つまり喪男を女体化したものであって、現実のモテない女とは違う。現実の喪女は、タイトルのように、自分の不幸を社会のせいにしたりはしない。不幸を社会のせいにしたがるのはもっぱら男で、それを女に代弁させたがる作者やその手の男性作家はみんな醜い、という主張である。

 「私モテ」の作者がこの匿名ダイアリーを見た可能性はほとんどないだろうが、「私モテ」の描く主人公の性格が、この匿名ダイアリーの書き手の主張に沿った内容になっている点は興味深い。つまり「わたモテ」が男による、男のためのストーリーであるのとは対照的に、「私モテ」は女による、女のためのストーリーになっている。「私モテ」のあらすじはについては、公式サイトに載っている。

「男の子同士が仲良くしているのを見ているのが何より大好き!」な高校2年生・芹沼花依は、有り余る妄想力で"カップリング"を楽しみながら、今日も親友のあーちゃんと腐女子トークに花を咲かせる。そんなある日、大好きなアニメのキャラクターが死んだショックで体重が激減し、誰もが振り返る美少女に変身!? それをきっかけに校内の美少年4人からデートに誘われて…。(私がモテてどうすんだ 公式ホームページ|TBSテレビ

  以上のように、ぽっちゃりで、メガネをかけていて、腐女子の主人公がある日突然激ヤセし、(腐女子にも関わらず)複数の男性から好意を寄せられるまでになる、というストーリーである。

 ポイントは主人公がモテる理由に何の飛躍も無いことだと思う。ぽっちゃりしていたうえにメガネをかけていたから気づかれなかったのかもしれないが、主人公はもともと美人だったし、性格も楽天的で努力家、さらにはコミュ力もあるというように、そもそものポテンシャルがメチャクチャ高かった。だから痩せて容姿がまともになれば男たちが言い寄ってくるのは当然で、何の不思議もない。

 この点は匿名ダイアリーの内容とも整合する。

喪女は、自分がブスでコミュ障だからもてないということをよく理解している。
もてたいならブスとコミュ障を治すしかないことも理解している。
微妙にブス、微妙にコミュ障くらいだったら化粧や髪型や人とかかわる訓練で改善できたりする。
しかし破滅的なブス、絶望的なコミュ障の場合は、諦めざるを得ない場合が多い。
それでも喪女は社会を呪わない。現実から目を背けて人のせいにして叩いたりしない。

  主人公は破滅的なブスでも、絶望的なコミュ症でもなく、激ヤセしてそれなりの美人になり、結果として喪女からリア充に成り上がった。意図せずとはいえ、主人公は自分が変化することによって、他人の評価を勝ち取ることに成功したのである。だから、このアニメは、匿名ダイアリーの主張を真に受けるなら、非常に喪女的な感性によって構成されたアニメと言える。

 そういうわけで、『私がモテてどうすんだ』は、「わたモテ」に対して不満を持っていた方々が、安心して見られるような作品になっていると思います。

 

私がモテてどうすんだ(1) (別冊フレンドコミックス)

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ニコ動のランキングと広告

 最近のニコニコ動画の総合ランキングは、以前よりもずっと広告・宣伝による影響を大きく受けている気がする。個人的にこの方針が気に入らない。多くの人が面白いと思うものがランキングの上位に登場することが少なくなり、結果としてランキングに対する信頼度を低下させていると感じる。

 今のところは、再生数と宣伝を分けて表示していて、どの動画がどれくらい宣伝の恩恵を受けたかが一目でわかる仕様になっていることだけが救いだ。これが、分けて表示されないようになると、本当に酷いことになる。最低限そのラインだけは守ってほしいのだが、これからどうなるかは分からない。

The Mist ゲームっぽさも映画の面白さのうち?

※ネタバレ有り 

 後味が悪い、ということで有名な映画。初見はかなり昔で、以前にも見返した記憶があるので、今回で少なくとも3回は見たことになる。でも面白かった。ただもう一回見たいかと聞かれれば、もうしばらくは見たくない。この内容が面白いということと、二度と見たくないということが両立する映画というのは少ないと思う。

 この映画の面白さはゲームにも通じるところがある。狭い空間に複数の人物が閉じ込められたらどうなるのか、というシミュレーション的な部分がこの映画の面白さの根底にある。それは普通の映画とはまったく質の違う面白さだと思う。この映画は極限状態のなかでいかにふるまうか、を観客に想像させることによって成り立っている。

 極限状態を作り出すために、登場人物の思考はかなり稚拙で紋切型なものとして描かれている。カルトめいたカトリック信者や現実主義者でオカルトの類を全く信じない人物などが、それぞれのキャラクターに沿った行動をし、対立する。中には本当に低レベルでうんざりするものも含んでいるが、それは登場人物を行動させ、物語を動かすのに一定の貢献をしている。

 問題はラストシーンで、バッドエンドで全く構わないのだが、やるべきことをやってからの自殺と、やるべきことをやらないままの自殺とでは、物語の説得力が違う。後者では作者の都合でバッドエンドが選択されたように見えるのが問題なのだと思う。だから結末については問題があるという点には共感する。ただ全体的によく出来た映画だとは思う。

GHOST IN THE SHELL - Official Teaser Trailer (2017)を見た感想

 

www.youtube.com

 実写版『GHOST IN THE SHELL』のOfficial Teaser Trailer が公開された。この動画は5つの独立したパートから構成されている。それぞれのパートについて感じたことを書きたい。

北野武のパート

まず北野武の髪型がマンガチックすぎる。そして北野武にあのアングルで銃を撃たせるのはまんま北野映画なのだが、北野に対するリスペクトの表明見たいなものなのだろうか?

②スカーレットヨハンソンのパート

髪型も服装もスカーレットヨハンソンのキャラに合っていないと感じるのは自分だけ?その後の男たちが輪になって座っているのカットはインパクトが強い。

ゲイシャのパート

歩き方が芸者っぽいのが良い。顔に日の丸のメイクは狙いすぎな気もするが、シュールな感じは表現できている。

④窓際の女

外の風景は近未来風?首からプラグみたいなのをけっこうあっさり外す。

スカーレット・ヨハンソンと黒人女

レズビアン描写?黒人の女はビジュアル的に一番違和感がない。

 

全体の感想

  このTrailerは派手な音楽を使ってないところが良い。ただ登場人物のビジュアルがマンガやアニメに寄りすぎているように見える。そういった見た目の部分で言えば、『フィフス・エレメント』に近い作品なのかもしれない。あるいは『ブレードランナー』みたいな作品かも。

 現時点では、まだどちらに転がるかは分からない作品だと思う。個人的には、マンガやアニメに寄せた作品ではなく、映画独自の表現を貫いてほしいという願望がある。次の予告に期待したい。